DIY Bluetooth Speaker

Bluetoothスピーカー自作のアレコレを書き綴ってみるブログです

Step4:設計煮詰めてみましょうか

もはや1ヶ月放置は当たり前。スミマセン。

なんだか知らないけど、知り合いにさえ告知してない(というかしたくない)このブログのPVが最近妙に多い。怖い。まっとうな技術と知識持ってる人がBluetoothスピーカー自作情報まとめてくれたらいいのに(逃)

さて計画もおおよそ固まったしそろそろ設計を煮詰めてみましょうよってことで。

具体的になにやるのっていうと、ざっくりは以下。人によっては既にココはもう煮詰まってるってのもあるかもしれない。

  • 筐体の詳細設計
  • モジュール類の配線計画
  • 操作系や入出力のパネル設計

とりあえず筐体設計からいってみましょう

筐体の詳細設計

特殊な形状や素材で作る場合ケースバイケースになっちゃうので、as you like it。ってことで「木材で直方体ぽい形状」っていう素人でも手を出しやすいヤツを考えてみる。

で、コイツは大きくは

  • エンクロージャーとしての外形というか、いわゆるガワ部分
  • 内部の仕切り的な部分

に分けられる。

内部の仕切りなんてイラネーよって人もいると思うんで、先にガワを設計しちゃいましょう。

基本的な考え方

まずあくまでも考え方の話。直方体っぽい形状ってつまり6面体なワケだけど、おおよそ以下の3パーツで構成されてると考える。

  • 正面×1面
  • 側面×4面
  • 背面×1面

バッフル面ではなく正面と書いたのは、ラフ設計で説明したユニット配置によっては、正面=バッフル面にならないから(180度背面あわせなら両側面がバッフル)。1ユニット型やL/R正面配置にする場合、正面=バッフル面と考えてくれてOK。

ユニット配置についてはこちらで

木材で箱形状作るときに、問題になるのは小口の組み合わせ方。小口ってのはアレよ、板の厚み部分というか切断面ね。木口って書いたりもするらしいけど、個人的には小口。

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上の図だと天板と側板の合わせ方が違う。これをどういう組み合わせで6面体作るか考えながら設計を詰めることになる。

さて、作業工程なんかを考えると、板使った直方体の作り方は「4枚の板で四角い筒状を作る→残りの2枚で蓋をする」って感じになる。正面がどこかはともかく、図にするとこんな感じ。

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工程的には以下の感じになる。

A2枚とB2枚で筒状にする

出来上がった筒にCを片側だけ付ける

ユニットや回路など中身を組み込む

残ったCを取り付ける

バッフル面をどこにするかは人によるけど、基本的にはこれが一番シンプルで製作も楽。

このうち、AとBで作る筒状部分に関しては、いじり様がないというか、どうしたって上の図みたいになる。いや俺は側板の内側に天板が来る方がいいんだ!って人は90度回せよコノヤロウである。

ってことで考えるべきはCの蓋部分。といってもこれも三種類(?)しかない。

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向かって左はAとBで作った筒の外寸で蓋してる。真ん中は内寸。右はちょっとわかりにくいけど、手前は外寸で奥は内寸(奥の蓋部分の小口が見えてないでしょ)。

三種類(?)というのは、実は真ん中のヤツは左と同じだから。コレ実は、見方を変えれば「BとCで筒状にして、Aで蓋」したって状態。つまり、小口の合わせ方的には向きが違うだけ。なのでBとCで筒作ってAで蓋って手順で進めたほうがいい。

というのは「AとBで筒状を作る→Cを内寸合わせで取り付ける」って工程でやろうとすると、BとCの長さに少しでもズレがあると取り付けられないor隙間ができる。あるいは、AとBの貼り合わせ位置がわずかにズレても(以下略)

ってことで、バッフル面がどこだろうと、工程的に問題ないなら「BとCで筒部を作る→A(図だと天板と底)を取り付ける」とした方がいい。

工程的に問題がないなら、というのは問題になるケースがあるから。

たとえば形状のサイズや縦横比によっては、BとCで先に筒状作っちゃうと手が入らねえよ内部パーツの組み込みや配線できねえだろ!ってことがある。また、Marshallとかから出てるのギターアンプ風デザインなんかは、「AとBで筒作る→それに革とか貼って筒の内側に折り返す→革の端が見えないように内寸のCを取り付ける」って工程にする必要に迫られる。そんな時は筒の内寸で蓋するしかない。ということで一応三種類としてみた。

まあいずれにしても、蓋の仕方は内寸と外寸がありますよ、と。

外寸の場合、接着剤とかでそのまま貼り付けちゃえばOK。内寸の場合はズレによる不具合を避けるために、取り付け枠を作るのがいい。

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工程的には、「AとBで筒作る→取り付け枠を貼る→取り付け枠にCを貼る」。Cが筒の内寸より少しでも大きかった場合削って入れる。逆に小さかった場合、隙間ができるけど枠によって気密性は保たれる。見た目的に問題なければそのままでもいいし、問題あるならパテ等で埋めてヤスリ使って面出しする。

もちろん、外寸の場合も取り付け枠付けてもOK。あとこの枠があれば、接着じゃなくてビス留めも可能。

具体的にどう合わせるか

んじゃどういう合わせ方がいいかっていうと、作業上の都合と最終的な見た目で決めることになる。イヤ、厳密に言うと小口の合わせ方によってバッフル面の振動の伝わり方が違うんで音質云々、って話があるんだろうけど、そういうのが気になる人はこんな場末のブログ読んでないでご自慢の高級パッシブスピーカーで小洒落たJazzでも聞いてやがれって感じである。コマケーこたぁ気にすんな。

見た目に関しては、大きく分けるとふたつ。ひとつは小口の存在。最終的な表面処理(なんか貼るとか塗装とか)によっては、小口部分が目立つ。切断がまっすぐできてなければ当然目立つし、貼りあわせが0コンマ数mmズレても目立つもんは目立つ。パテで埋めたりヤスリがけするにしたって、僕みたいな素人に完全にフラットにできるワケがない。

また塗装の場合、小口部分は塗装の乗りが悪いことが多い。以前がんばって下地処理して塗装してみたけど、小口の存在が完全にわからなくなるようにするのはかなり難しい。

ということで、多少なりとも小口部分は気になる、という覚悟はしておいたほうがいい。なので、目立つ場所は小口がこない様にする

もうひとつはビス(というか木ネジ)の存在。これが見た目だけでなく作業性にも関わってくる。

パッシブスピーカーなら全部の板を接着剤で貼り付けちゃってもいいんだろうけど、Bluetoothスピーカーだとそうもいかない。二度と開けられないと調整や修正ができないし、数年使ってバッテリーがヘタって来ても交換できないのってどうよ。小型の愛らしい生物によるコーンつっつき攻撃だって起こりうる。やっぱり最低限のメンテナンス性は確保しておきたい。

ってことで、少なくとも1面はネジ留めにしたくなる。が、ネジが目立ってもいいのか?っていう。イヤ気にならない人は気にしなくてもOKだけども。

ただまあ、どうせだったら目立たない面にネジ持って来たくなる。とはいえ、作業性も考えてネジ留め面を決めることになる。例えば奥行き方向が薄い筐体の場合、底をネジ留め面にすると、ユニットや基盤の組み込み作業時に「手が入らねえ〜」ってことになるので注意。

で、ネジ留めする面=最後に蓋する面(C面)になるので、先に筒状にすべきAとB面がどこかは必然的に決まってくる。

ネジ留めのC面が外寸か内寸かは、小口の見た目や作業の都合で決めればOK。例えば前述のギターアンプ風デザインなんかだと、作業的にも見た目の処理的にも内寸にする必要がある。ネジ留めじゃない方のC面も同様。

ということで、小口の合わせ方の決め方は以下の感じ

  1. 最終的な蓋になるネジ留め面を決める(C)
  2. その面に接してる4つの面がAとB。筒状にする時、小口が極力目立たない合わせ方を決める。
  3. この筒に対し、1のネジ留め面&その反対側のC面が内寸か外寸かを決める

これが決まれば、あとは板の厚みがわかれば具体的な寸法が起こせるようになる。

板の材質や厚み

パッシブスピーカーの自作サイトを読むと、板に関して「硬く、厚い」ものが音質的に有利らしい。まあそれはわかる。わかるが、しかし

こちとらBluetoothスピーカー自作してるんでぃ。そんな「加工しにくくて、重い」もんなんか使ってられっかコンチクショー

って感じである。

といってあんまりふにゃふにゃなもの使うわけにもいかないので、バランスとったら結局MDFあたりの集成材行き着く。板目を活かしたデザインにしたい場合なんかは無垢材選びたくなるけど、MDFに突き板貼った方が小口隠せて綺麗に仕上がるんじゃないすか?と思ってしまう僕は邪道ですよそうですよ。

厚みに関して言うと、形状や想定する音量にもよるだろうけど、ユニット4インチ程度までなら9mmで十分な感じ(2号機は4inchで製作中)。3インチ以下なら5.5mmでもいいかもしれない。バラした1号機は2.5インチユニットに9mm厚で筐体作ったんだけど、無駄に重いしこれ別に5.5mmで充分だったんじゃね?と思った。

強いて言うなら、5.5mmだと小口が狭すぎて接着とかやりにくいのかも。1号機の修正版はバッフル面9mmそれ以外は5.5mmの予定なので、やってみた感じをまたいずれ報告予定。いつになるか知らんけど。

もちろん、デザインのアクセントで一部だけ厚めの板使ったりとか、そういうの好きにやりましょう。

ちなみに僕が1号機修正版でバッフル面だけ厚めにしてるのは、その方が音質的に有利云々ってのも多少はあるんだけど、バッフル内側にユニット付けるので、薄いとビスが効かないから&コーン傷つけたりする可能性高そうだからってのが主な理由。

さて、小口の合わせ方が決まってれば、外形寸法から板厚2枚分引いたりなんだりして、各板の寸法が出せます。一応雑な手書きでもいいんで、こうやって合わせるって図を起こしておくと、寸法出しを間違わないし製作時の指標になります。

ってことで図面化してみましょう。

この段階で内部寸法も確定します。使用する各パーツがちゃんと収まるか確認。小型筐体だとユニットの奥行きとかアンプボードの取り付け位置なんかが意外と余裕なかったりしますんで注意。

長くなったので内部についてはまた次回。