DIY Bluetooth Speaker

Bluetoothスピーカー自作のアレコレを書き綴ってみるブログです

電源周辺回路を考えてみる

本格的に今までの文体が煩く感じてきた最近のぶた。とりあえず馬鹿丁寧な口調は当面やめる方向。文体が固まったら序盤の記事も全部書き直……さないとダメですか?

さて。今回は電源周り……なんだけど。

ちょいちょい起きるバッテリーの発火や爆発の事故を受けて販売に規制が入ったせいか、情報が得られにくい。販売方法に関する法律だったはずなので技術情報書いてる分に別に問題ないはずだけど、もしヤバかったら教えて下さい。

っていう状況だから、とりあえず実際の製品情報とかはナシ。まあヘタすると事故につながるのも事実なので、不安な人はバッテリー使わないとかモバイルバッテリーで済ます方が確実。自分で電源周り組むつもりの人は慎重かつ自己責任でどうぞ。

まず必要な電圧・電流(出力)を考える

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あたりまえだけどコレわかってないと作るに作れない。といっても、小難しい計算はいらない。

電気大喰らいなのはアンプボード。複数基盤組み合わせてるにしても、アンプ以外の基盤はそんなに電気喰わない(多くても数十mA程度)。なおかつ、アンプボードが最大容量まで電気使うのはごく稀&瞬間的のことが多い。

ってことで、アンプボードの要求を満たす電圧・最大出力が用意できればだいたいOKと考えていい。イヤ俺は災害時でも使える大容量バッテリー+ソーラーバネルで云々って人はここに有益な情報はないのであしからず(えー

まず有線というか外部電源を用意

バッテリー内蔵させるにしても、充電用に外部からの電源供給は必要になる。製作中のちょっとした動作確認なんかにも、安定動作する外部電源があった方がいい。なのでまずは素直に普通の電源用意するべし。選択肢はほぼ2択。

モバイル機器用USB充電器

アンプボードが5vのものならこれで充分のことも多い。(規格上は)5vと決まってる。出力が大きくないので確認しておくこと。コイツで済む構成だと完成後も使い勝手いいじゃないかと。

ACアダプター(もしくはアダプター部分を内蔵)

電圧・最大出力とも各種あるので必要なものにあわせて。5v駆動以外のアンプボードを使うなら、まずその定格+αを満たすACアダプター持ってた方がなにかと楽。

充電回路を考える

さてここからバッテリーの話。ここの情報が手に入りにくい……。詳しい人は別に手こずらないんでしょうけどね。
使い勝手や入手性なんかを考えると、18650あたりで作りたい人が多いと思うんで、それを前提に進めます。

18650×1本で賄う場合

アンプの定格が5v程度なら、バッテリー1本にステップアップかませば済むので複雑にならない。
回路のおおよその概略記すとこんな感じ。
※とりあえず充電のみ。出力部分は後ということで。

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充電回路+バッテリー保護回路+バッテリーってことなんだけど、保護回路付きバッテリーが売ってるし、充電回路側に付いてることもある(もちろん単体の保護回路も売ってる)。なので実際には、microUSB端子付きの充電モジュールに保護回路付き18650バッテリーをつなげばほぼ完結。

というか、上図のバッテリーに5vの出力回路付ければモバイルバッテリーになる。んじゃモバイルバッテリー使えばいいんじゃない? とも言えるんだけど、18650自体は10Aくらい連続出力可能な製品もあるので、適切なモジュール使って組めばアンプボードの選択肢が広がる……はず。変換効率無視すれば3.7v10A(37w)出るなら12v3A(36w)賄えるから、10v前後でOKのアンプボードなら使える……かもしんない。自分でちゃんと試したわけじゃないので知らん(逃)

ちなみに、手元のTPA3118を使ったボード(対応電圧8〜24v)で試した時の記憶だと、5V1A出力からのステップアップだと電力不足で音割れ気味。5v2.4A出力からだと、音量欲張らなければ使えないこともない感じ。こういうケースの場合、モバイルバッテリーより出力的に余裕がある1s回路にするって手はアリかもしんない。あと5vでも3A以上使うボードとかね。

一応繰り返すけど細かな検証やってないし、バッテリーでの連続稼働時間との兼ね合いもあるんで、自分で試して判断してください。

まあ、まかり間違って申し訳程度に設置してるアフィリエイトリンクがお賽銭くれたら、各種パーツとか手に入れてこの手の実験とかに回して報告する心づもりではある。

ところでこれ、あくまでも充電のための回路ね。出力段は後述。ちなみに充電モジュールは1A程度までしか対応してないことが多いから、充電しながら使う場合は注意が必要(後述)。ヘタすると充電モジュールが過負荷で死ぬ。最悪火を吹く(恐)。

充電モジュールはTP4056で検索すると色々出てくる。

※後日18650×1本でアンプボードがどの程度使えるか実験して記事にしました。ご参考まで。

btaudio.hatenablog.com

 

18650を複数の直列で使う場合

アンプボードの定格が12vくらいになってくると、18650×1本じゃ厳しくなってくる。その場合2本以上を直列でつないだ上で、ステップアップやステップダウンかまして目的の電圧にする。基本的な考え方は1本の時と同じ。一応2本直列(2s)の場合を図にしておく。3本以上でも基本は同じ。

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ACアダプターになった他、充電モジュールと保護回路が2s対応のものに変わっただけ。注意点は以下。

  • 保護回路付きだとうまく動作しないことが多い(らしい)ので、保護回路無しのものに2s用保護回路を付ける
  • 容量等、特性の違うものを混在させると危険なので、必ず同じものを同時購入して使う
  • 保護回路は保護回路であって充電回路じゃないからACアダプター直接つないじゃダメ
  • 充電完了したら電源供給をやめてくれる充電回路にACアダプター繋ぐ

……これちゃんと説明してくれてるトコがあんまりなかったんですよ。特に下の2つ。僕なんかもうアレよ、保護回路にACアダプター繋げば充電されると思ってたからね(危)。なんかそんな感じのYoutube動画見かけるし。後日アレはACアダプターじゃなくてACアダプタータイプの充電器だと知ったんだけど。あー事故らなくてよかった。

もうひとつ付け加えると、この手のモジュール探してると、「バッテリー保護モジュール」なのか「バッテリー充電モジュール」なのか「バッテリー保護回路付き充電モジュール」なのか、商品名とかから読み取りにくい。ヘタすると売ってる側も曖昧。気をつけるべし。

充電モジュールは種類が少ない。というか情報そのものが少なくて、当初全然わかんなかった。が、見つけた。TP5100(1〜2s対応)、MAX745(1〜4s対応)あたりで検索すると多少の情報が見つかる。まあ、日本語の使用レポみたいのはほとんどないんだけどね。……これ情報出すと法的にマズイとかあるんですか? その辺の線引きがよくわからんので、ゆるふわ説明してるええそうですよチキンですんません。

話逸れた。

Youtubeで海外の人が使ってるような、ACアダプタータイプ2s用充電器も探せば売ってる(もちろん3sや4s用もある)。それを使えば手っ取り早い……んだけど、出力1A程度のものがほとんど。これじゃアンプボードの場合、充電しながら使うのが難しい。最悪火を吹く(再)。

充電しながら音出したければ、例えば12v5Aの普通のACアダプターを使って12v3Aアンプボードを駆動させ、余った電力を充電回路に回す……って考えるのが現実的。その辺は出力回路で触れます。

出力回路を考える

バッテリー駆動時の出力回路

バッテリー保護モジュールの多くは、充電のための電源入力端子と出力端子が兼用になってる(別なのもあるけどね)。なので、その入出力兼用端子を負荷回路につなぐことになる。

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って感じが基本かなと。実際には電源スイッチ入れたりする必要はある。逆流防止のダイオードとかもあった方がいいのかも。

外部電源接続時の出力回路

ここまでで、とりあえずバッテリー充電できるし、そのバッテリーで動かすこともできる。ってことで完成……だといいんだけど。

全体の消費電力等によってこれだけでも動……かないこともない……かなあ。実際問題としては厳しいことが多いはず。というのは、充電回路のとこでもちょっと触れたけど、負荷回路で使う電力が必ず充電回路を経由するため。

一般的に、充電回路の出力はあまり大きくない。1s用のものなら1A程度だし、2〜4s対応のものでも2A程度。そりゃ数A一気に送り込んだらバッテリーの寿命縮めますからね。なので、この接続のまま使おうとすると、以下のどれかに陥ることが多い

  • 普通に動く。が、使ってる間バッテリーに充電されないorバッテリーが減る(比較的ラッキーなパターン)
  • アンプが電力不足の時の挙動になる(音が割れたりとか)
  • 充電回路が過負荷で焼け死ぬ

僕ですか?ああ、当たり前のように充電モジュール焼き切りましたよ(涙

ということで、手っ取り早い解決策としては、外部電源つないでバッテリー充電→外部電源外して使う(はぁ?

イヤそれもどうかと思うけど。

実はYoutubeなんかで「簡単に作れる」みたいな謳い方してる動画は、このやり方してるのが多い(もしくはバッテリーレスのACアダプタ駆動やモバイルバッテリー5v完結仕様)。面倒避けるならそれもひとつの選択。

イヤそれじゃやだよってことなら、外部電源つないだ時のマネージメントを考える。

ちょっとこの動画を見て欲しい。英語だけど絵だけで大体わかるはず。


Lithium cells in Series with BMS - Battery Pack Considerations (MEHS) Episode 61

公開時かなりツッコミ入ったぽいけど、その後何度か修正されて現在はおおよそ良さげな感じになってるぽい。下の動画(Episode68)が完成版らしいけど、説明自体は上(Episode61)の方が細かくなされてるので、考え方を理解するためにも61見ておいた方がいいと思われる。


Make Your Projects Rechargeable -12v version (MEHS) Episode 68

大雑把に言えば、

  • 外部電源は負荷回路とバッテリー充電回路にパラで接続
  • バッテリー出力を負荷回路に接続
  • 外部電源接続時は、リレーとか使ってバッテリー出力と負荷回路を切り離す

って感じ。

こうすると、負荷回路は外部電源だけで駆動、外部電源に余裕があればその電力でバッテリーが充電されることになる。……はず。

いや自分で実験するつもりだったんだけど、充電モジュール焼き切っちゃったせいでまだちゃんと確認してねーのですすんません。ちゃんと実験したら追加記事でupかなんかします。