ぶたの自作の(失敗の)記録 その2
前回に引き続き、自作の失敗記録。前回の最終的な状況を、サクッとまとめてみるとこんな感じ。
- Transmart Grooveの基板にP830985つなぐと発振?歪み?が出る
- 古いAVアンプに変えても軽減するがなくならない
- 筐体は塗装までおおよそ済ませちゃってる
- MDF製の筐体に組み込んだBTアンプボードは接続不安定
そして迷走状態に入っていくワケです。。。
とりあえずこの段階でモチベーションはだだ下がり。ユニットを何度も着け外したせいで、MDF筐体のネジ留め部分がボロボロになってきてるし、なんか急にみすぼらしいものに見えてくる。でもまあ、音についてはそのうち改善するかもしれないと思って色々試し始める。
今思えばこの時点で手を引けばよかった・・・
ここまでの出費
実はこの段階で既に結構な金額をつっこんでる。大雑把には以下。
・Transmart Groove x2 ……約4000円
・P830985 x2 ……約4000円
・パッシブ・ラジエーター x2 ……約1000円
・木材 x2台分 ……約1500円
・穴あけ用の自在錐 ……約3000円
・塗装関係 ……約2000円
・その他こまごましたもの ……こまごまな額
総額1.5万ほど?これを全部窓から投げ捨てる度胸は持ち合わせてない貧乏性のぶた。
(自在錐を除けば1台あたり6000円くらい。計画通りまともな音がするTWS対応BTスピーカーになってたなら悪くない額)
今思えば、いい大人が1ヶ月以上楽しんだ勉強代と思えば、1.5万はそんなに高くもない。この段階で全部捨てて既製品買うのもアリだったと思う。でもなんか、アタマの中に超俺様好みのBTスピーカーが出来上がってたのと、ここまで手間かけたことで意地になってたんだよね多分。
これからBTスピーカー自作を始める人に言っておきたい。もしなにかでつまずいたら思い出して欲しい。
ここまでたっぷり楽しんだだろ?それで充分じゃないか(え〜
対策を検討
どうでもいい話はさておき、これからどうするか決めなくちゃいけない。
歪む原因を考えてみる
いや考えようにも知識がないので、調べるしかないんだけど。
調べてるうちに「デジタルアンプはLPFとユニットの相性が……」「デジアンICで組んでみたら特定の音色で発振が……」といったような記述を見つける。確かに、アナログアンプで鳴らすと歪みの発生がだいぶ抑えられる。まあ曲によってはちょっとと思うけど、我慢できない範疇でもない。
ここまでの経緯を考えると、スピーカーユニットが怪しいと思えなくもない。でも2台とも同じ挙動を見せるし、Grooveの基板に繋いだ時の方が明らかに歪みが増すので、確実にそうとも言い切れない。別のスピーカーユニットを買って試すって手もあるけど、デジアンとの相性云々だったらいくつも買って試すループに陥る可能性もある。
よし、とりあえず基板側を変えてみよう。アナログアンプで鳴らした時くらいなれば、割り切れないこともない。Tronsmart2台分捨てることになるけど、まあそれは勉強代と割り切ろう。って決断をする。
構成を考える
選択肢は二つある。ひとつは、前回同様安価なBTスピーカー買ってバラす方法。しかし安価とはいえ2個欲しいからそれなりの出費になるし、また相性みたいなのが出る可能性もある。
実は、Tronsmart Grooveはタクトスイッチ外したり色々弄ったせいで、もはやバッテリーとスピーカーユニット残して捨てるしかない状態。せめて元どおりにして使えればよかったんだけどねえ。同じことは繰り返したくない。
ということで、もうひとつの選択肢、アンプボードとか買って自分で組むってことを考え始める(ボードそのものを自作する知識や技術はない)。
でもご存知の通り、TWS対応Bluetoothアンプボードなんてものはほとんど売ってない。つまりアンプ変えるってことは、アンプ部以外もなんとかしなくちゃいけない。
とりあえずamazonでアンプボードを見てくと、動作電圧はだいたい9v〜24vくらいのが多い。その電源どうすんだ? って調べてみると、リチウムイオン電池関係の怖そうな記述がけっこうある。反面、自分で色々作ってる人もそれなりにいる。結局イマイチ具体的にどうすべきかわからない。
安全性考えるとなるべく出来合いのもので賄えた方がいいと思って調べてると、以下の選択肢が上がる。
・ONEUのモバイルパワーアンプ(Bluetooth対応)
25w x2のバッテリー内蔵パワーアンプ。アンプと電源が安心して手に入るという意味では悪くない。BluetoothはTWS対応じゃないので、別モジュールをAUXにつないで使うことになるか。
・ノートPC用のモバイルバッテリー(パワーバンク?)
9vとか12vとかのがちょいちょいある。
・ジャンプスターター
車のバッテリーが上がった時に使うヤツ。12v出せる。でもどんな電源が出て来るのかわかんなくてちょっと怖い。
いずれにしても、ON/OFFスイッチ操作する必要があったりなんだりで、筐体内に組み込むのは色々工夫が必要そう。また、それぞれBTスピーカーが買えちゃう値段だったりもする。悩んだ末出した結論はこちら。
スマホ用モバイルバッテリーに5v駆動のアンプ繋いでみよ
けっこう消極的。でも5vのアンプモジュールは安いし、手元にあるモバイルバッテリーで使い物になるかどうか確認もできる。ダメならGrooveから外したユニットで小型アクティブSP作ってベッドサイド用にでもすればいい。
Bluetooth部分はどうするか
TWS対応のBluetoothレシーバーモジュールは国内ではほぼ売ってないぽい。別記事で紹介したCSRA64215のモジュールをAliexpressで発見するが、わざわざ取り寄せるのもなあ、と躊躇。
そういえば、音悪すぎて使ってない完全ワイヤレスイヤホンあったな。コレ使えないか? 調べてみるると、ワイヤレスイヤホンのドライバが繋がってるケーブルを切断して、アンプのインプットにつなぐ改造してる人の情報発見。よし、とりあえずコレやってみよう。うまくいけばアンプボード分の出費だけで済む。
ってことで、Amazonのレビューを参考にPAM8406搭載アンプボードと、イヤホンの基板の電源用にDC-DC降圧モジュール(モバイルバッテリーを3.7vに降圧させるため)を2台分発注。
……なぜ一気に2台分発注するのか僕。とりあえず1台だけ試せよと。まあ、早く完成させたかったんだろうねこの時。
修正第一弾。PAM8406 + イヤホンのTWSモジュール
結論から言うと、うまくいかなかった。
PAM8406は5vアンプの中ではわりと評判がいい。実際スマホをラインで繋いでP830935を鳴らしてみると、ノイズもほとんど感じられないしクリアな音がする。ただ、ボリューム最大だと音が割れる。電源を2.4Aのものにしても割れるから、そういうんもんなんだろう。あと低音があんまり出ない。まあEQとかでなんとかなるか、と割り切る。
モバイルバッテリーでもちゃんと動く。ただ、バッテリーによってはプロテクトがかかるのか電源出力されなかったりする。これはまあモノ選べばいい話。所用で立ち寄った店に5v1A出力のモバイルバッテリーが300円で売ってたので、買ってきてつなぐと普通に動く。当面これでいいや。
問題になってた歪みに関して言うと、アナログAVアンプに繋いだ時と似た感じ。つまりゼロにはならないけど、我慢できなくもないレベル。ってことは、すくなくともTransmart Grooveのアンプとは相性が悪かったんだと考えられる。ゼロになってないのが気になるが、使ってるうちに改善することを祈りつつ、先に進む。
よし、んじゃコイツのinputにイヤホンの出力線繋いでみるか。
まずイヤホンを分解。ドライバユニットへの出力線をカットして、PAM8406のインプットにつなぐ。とりあえずイヤホン内蔵の小さなリチウムイオン電池(3.7v)で起動させてみる。……おお、ちゃんと起動音が鳴るじゃないすか。スマホとペアリングすればちゃんと音楽も流せる。
イケると踏んで、イヤホンのモジュールに接続されてた小型のリチウムイオン電池を外す。モバイルバッテリーの出力をパラって、一方はそのままアンプボードに、もう一方は降圧ユニットに繋いで3.7vに設定し、イヤホンモジュールへ。
※サラっと書いたけど、USBケーブル切断→配線調べてモジュールをハンダ付け→ソイツをモバイルバッテリーにつなぐ、なんて経験はこの時が初めて。リチウムイオン関係の恐そうな記事読んでたから、相当ビビりながらやってた。
ともあれ、まずは起動させてみる。
ん? ……起動しない?
結線中になんかやっちゃったかと思って、もう片方のイヤホンに繋ぎ変えてみても同じ。つまり、内蔵リチウムイオン電池から、降圧モジュール経由の3.7vに変えると起動しなくなる。
仕方ないのでもともと付いてた電池のままで使う方法を考えてみるも、充電せずに使い続けられるわけないし、充電中はスリープモードに落ちる仕様なのでどうにもならない。手詰まり。
※今思えば、ほぼジャスト3.7vにしたのがよくなかったのかも。リチウムイオンは満充電で4.2v出すから、4v前後まで上げればイケたかもしれない。もう捨てちゃったから再試験できないけども。
しかしまあ、動けばラッキーの廃品利用計画だったワケで、諦めるのに躊躇はいらない。投げ捨て決定。むーぶおん。
仕方ない、ちょっと面倒だけどAliexpressでA64215モジュール頼むか……
修正第二弾。到着を待ちつつ低音対策を試す
A64215を発注したものの、中国から届くにはちょっと時間がかかる。待ってる間、修正第一弾の動作確認で気になった低音不足を補おうと、トーンコントロールモジュール+その電源にするための昇圧モジュールをamazonでオーダー。
トーンコントロールはすぐに届いたので、モバイルバッテリーから昇圧モジュール経由して12vを供給。コイツのアウトをPAM8406ボードに繋いで、スマホのヘッドフォンアウトを接続して聴いてみる。
アンプ側のボリュームは最大にして、トンコンについてるボリュームで音量操作してみる。最大にするとやっぱ音割れる。なので、トンコン側のボリューム最大にした状態で、アンプ側を音割れないとこまで絞る。
一旦トンコンのボリューム絞って、BassとTrebleのボリュームいじってみる。うん、当たり前だが変化する。変化するけど……Bass上げると音割れる。むむ。
冷静に考えれば当たり前か。低音の量が増える=消費電力というかスピーカーに出力される電力が増えるんだから、アンプからしたらトータルのボリューム上がったのと同じ。なので、適度な低音にした状態で、割れないギリまでアンプ側のボリューム絞るしかない。
……ってこれじゃ音小さすぎね?
一応言っておきますけどね、僕別に低音ドコドコやる派じゃないわけですよ。低音上げたっつっても、12時と思しきとこから2時くらいにしただけ。それでこうなっちゃいますか……。しかたないので、最大音量を優先して、割れないとこまで低音絞る。……ああ、そうですか12時くらいですか。
……トンコン入れた意味ねえよ!
詳しい人ならアンプボードのコンデンサ変えたりして対応するんだろうなあ。僕詳しくないからできないけど。
……投げ捨て決定。
迷走は続く