DIY Bluetooth Speaker

Bluetoothスピーカー自作のアレコレを書き綴ってみるブログです

ぶたの自作の(失敗の)記録 その1

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Twitterでちょっと触れたけど、放ったらかしにしてた1作目のTWS機製作を再開したぶたです。

昨年末あたりに作ってみたものの、どうにも気に入らなくてゼロから見直すことに。で、見直しながら、反省点なんかも含めてまとめようとこのブログ始めたワケなんだけど、仕事忙しくなるしブログ書かなきゃだし色々実験とかしはじめちゃうしで、なかなか製作再開できなかったんだよね。

ってことで、ここまでの経緯をいったんまとめてみよかなと(失敗例としてね)。途中で試したことや検討したことなんかも書くので長大になります。

当初のコンセプト

ブログ中でちょっと触れてるけど、もともと作りたいと思ってたのはざっくり言うとこんなの。

  • TWS対応で2台作成
  • 無理に小型化しない
  • でも1台なら鞄に入れて電車移動できなくもないサイズ
  • 出力5wくらいで多分OK
  • 低音の量はいらないけどそれなりに伸ばしたい

この時は今みたいに実験とか始める前。なーんもわかんない状態だから、Youtubeの自作動画とか見まくって情報収集。でも日本語の情報ほとんどないし、国外の動画はACアダプター駆動のが多いしで、特に電源周りどうすればいいのかわかんない。で、さんざん悩んだ末、あるアイディアがひらめいた。そうだ、市販品買ってバラせばいいんだ!

……本末転倒な気がしなくもない。

でもまあ、買ってみてそれで十分だと思えばそのまま使えばいいし、バラしてもうまく自作できなかったら組み直して風呂用防水スピーカーにすればいいやってことで、この方法を採用。

まず計画!

いや計画っつってもこの時は右も左もわからない状態なので、ある程度作りながら修正してく前提でけっこうざっくり進めてる。そもそもスピーカー自作の経験がないからね。市販品より大きめのユニット積んで大きめの筐体にすればそれなりに鳴るんでしょ多分、くらいのノリ。

筐体のデザイン

筐体はあんまり小さくする気はなかったものの、持ち運び絶対無理ってサイズもイヤ。手元のA4用紙ながめて「この短辺(210mm)くらい?」って考えた。ってことはA5サイズか、と思いながらWebでいろんなBluetoothスピーカー見てるうちに、IKEA Enebyを発見。そうか、正方形って手があったか。

んじゃ奥行きは……片手でワシっと掴みやすいのがいいね。つーと65mm前後だな(65mmってのはペットボトルの基本の太さで、無理なく掴めるサイズと言われてる)、とか思いながらEnebyのサイズ調べてみたら200x200x65mm。んじゃコレそのまま頂き。

TWS前提だからとりあえずフルレンジ1発モノラル仕様でOK。Enebyはバスレフだけど、Webで分解画像見てみたら途中でカーブしてる特殊なポートになってるぽい。こんなの作れねーよとサクッと諦めてパッシブ・ラジエーターを採用。ツイーターはとりあえずナシ。物足りなく感じたら後で追加しよう。

ってあたりまでサクッと決まる。

IKEA Eneby↓。この時はまだ日本では売ってなかった。

パーツの選定

パーツといっても市販品バラす前提なので、選ぶのはスピーカーユニットとパッシブ・ラジエーターくらい。奥行き考えると3インチはギリ厳しいレベル。探してると、2.5インチでPeerlessのPLS-P830985を発見。評判もよさげだしVifa Osloに憧れた身としてはほぼ即決。同じ2.5インチのパッシブラジエーターと共に2個ずつ発注。

※間違えない様に触れておくと、ホントはパッシブラジエーターはユニットの1.5〜2倍くらいがいいらしい。この時はそんなこと知らなかった

あとはバラシ前提の市販品。どうせバラすし2台必要だから、あんま高いのは避けたい。TWS対応+フルレンジ1発仕様+出力5w以上で探して、Tronsmart Grooveに決定。選んだ最大の理由は、Youtubeに分解動画が上がってて、比較的バラしやすそうだったから。

Peerless PLS-P830935。解像度高めの音で口径のわりに中低域がよく出る。その後の経緯を考えるといいのかどうかよくわからん。

バラす前提で買った市販品。コイツに罪はないんですよ・・・

勢いに乗って製作開始!

いやぁ。楽しかったなあこの頃。まあ挫折の始まりなんですけどね。

筐体製作

図面引いて筐体の製作。

図面引くのは苦労しなかった。外形寸法決まってたから、板厚とユニットの取り付け位置決めるくらい。板厚は基準がよくわからないけど、調べると小型筐体は6mmか9mmくらいで作ってる人が多そう。とりあえず無難そうな9mmで図面引く。

ユニット取り付け位置は、IKEA Enebyの位置をまんま頂くことにした。具体的に言うと、バッフル面に縦横4分割する線引いた交点。もうちょっと内側に寄せた方がバランスよくね?とも思ったけど、見慣れるとこれはこれで悪くないなと。

操作パネル関係はこの段階ではまだ保留。リアパネルにまとめりゃなんとかなるでしょ、とテキトーに考えてた。

ってことで製作にかかる。工具類はほとんど持ってないからどーすっかなと。調べてみるとホームセンターに工作室ってのがあって、工具類も貸してくれるらしい。なんならカットもしてくれるけど、1mmくらいの誤差は許してねってことなのであんまり期待しない方がよさげ。近所のお店何軒かまわって工作室にバンドソー(ガイドに沿って板を走らせると定規で設定したサイズに切り出せるヤツ)があるとこを発見。

ちなみに、同じサイズの切り出しを行う時は、ガイドを動かさないのが鉄則。例えば、ガイドを150mmに設定して板を切り出す→今度は60mm幅にして切り出す→また150mmに設定し直して切り出すってやると、150mm部分が多少ズレる。なので、150mmでカットする部分は一気にやる必要がある。一旦帰宅して図面見直して、多少は板取に無駄が出てもいいからガイド再設定しなくていい切り出し方と順番を決める。

後日再訪問して9mmのMDF買って作業開始。計画通りバンドソーで切り出してみると、なかなか正確に切り出せてるじゃないすか。ヨシヨシ。穴開けはボール盤借りたんだけど、必要なサイズのホールソーがなかったので、売り場にあった自在錐買ってきて開けた。

ついでに接着剤も買ってきて裏蓋以外を接着。バイスが色々あったのでお借りして固定。乾くの待つ間、サンドペーパーやら必要そうなビスやら購入。

後は中身入れて裏蓋をビス止めしちゃえばOKってトコまで一気に作った。

スピーカー工作するなら持ってると便利な自在錐。気が向いたらいつでも好きなサイズの穴開けられると工作のハードルがけっこう下がる。

中身の組み込み

ユニットより先にTransmart Grooveが届いたのでちょっと使ってみる。音は……まあこんなもんだよね。悪くはないけど良くはない。分解動画を参考にとりあえず1台だけバラして基板を取り出し、筐体のドコに入れて操作系どうするか考える。入出力系は穴開けりゃどうにかなるとして、タクトスイッチどうすんだ? まあいいや、後で考えよ。(←こういうのが後々よくない結果を産む)

数日後P830985が到着。バラした方のTransmart Grooveのスピーカーと付け替えて、裸のまま鳴らしてみる。……おお、ちゃんと鳴る(当たり前)

とりあえず入出力やボタン類後で考えることにして、作った筐体にスピーカービス留めして、パッシブラジエーターを両面テープで張りつけ(雑)、基板やバッテリーをビニテで止めて(おい)、蓋して鳴らしてみる。

おお!いいじゃない!低音域も量感はないけどそれなりに鳴ってる。ちょっと気になる部分はあるけど(後述)エージングとともに良くなるんでは?と浮かれまくる。

後のためにいったん整理しておくと、この段階でバラしたTransmart Grooveは1台。P830985も1個試しに鳴らしただけ。

塗装

いったんユニットや基板類全部外して、筐体の塗装にかかる。この間に2つのP830985は裸のまま古いAVアンプでピンクノイズでも流しとこう。

MDFの塗装はけっこう面倒。まず、接着部分にどうしても小さな溝や凹凸ができるので、木工パテで埋める。多分そんなことしなくても気密性的にはOKなんだけど、見た目が気になったんだよね。どうせなら、木材で自作ってわからないくらいの仕上がり目指したいじゃないすか。

乾くの待ってペーパーかける。400番でおおよそ慣らして800番で仕上げ。おお、いい感じなフラット具合と悦に浸る。

スプレータイプのサンディングシーラー塗って乾いたらまたシーラーってのを何度か繰り返し、最終的にまたペーパー。その後ようやくカラースプレー。Enebyの白+黒いユニットってのに惹かれたので白にした。

う……白難しいよ何度重ね塗りしても小口部分が透けて見えるよ……

でもめげずに塗って乾かしを繰り返す。

なんだかんだと許容できる範囲のとこまで重ね塗り完了。最終的にサンディングしてクリア塗装するつもりだけど、一度これで鳴らしてみるかと中断。

あ、言い忘れたけど、塗装は乾き待ちの時間がどうしても出るので、ここまで飛び飛びで数日かけてます。

入出力・操作系の加工

塗装と並行して、入出力や操作系をなんとかせねばと動き始める。筐体に穴開けて失敗したら目も当てられないので、失敗してもどうにかなるよう全部裏蓋部分につける予定。

基板には充電用のType-C、3.5mmのAUXin、SDカードの挿入口、と3つの入出力系がある。もともと、別に端子買ってきてケーブルで引き出して筐体に付けるつもりだったんだけど、AUXが挿入されたかどうかを判別してるぽくて、別付だとうまくいかない。なので、基板の端子をそのまま筐体から出すことにする。

ってことは、裏蓋に穴開けて差し込むような形で垂直に基板をつけなきゃいけない。基板のサイズで裏蓋に彫り込みを入れて、それぞれの端子部分だけ穴にするってのを、カッターと錐で地道に進めて、雑ながらどうにか完成。最終的にホットボンドで接着させつつ隙間を埋めればいいだろと。

ただ、この状態だとタクトスイッチにアクセスできない。しかたない、タクトスイッチ外してケーブルで伸ばすか。1つのスイッチに4つの端子があるのね……スイッチが4つだから……16本も引くのか……(※ホントは16本もいらないです。この時は全然わかってなかった)

延長した先にタクトスイッチ並べる基板が必要になるので、ユニバーサル基板買ってきていいサイズに切る。で、おもむろに基板に付いてるタクトスイッチを外す(※ホントは外す必要ないです。バカなだけ)。脚が4本あるんで、ハンダごてで4本同時に温めて外すのに相当苦労した。そんで外した部分に、手元にあったLANケーブルばらして作ったケーブルを16本はんだ付け。外したタクトスイッチはユニバーサル基板に並べ、引っ張ってきた16本の線をはんだ付け(無駄の極み)。

とりあえずこの状態でもともとついてたスピーカー繋いで動作確認してみると、ちゃんと動く。おお。俺すげー。がんばった。と悦に入る馬鹿なぶた。

※一応説明しておくと、タクトスイッチは4つ脚あっても2つずつ中で繋がってるので、引き出すのはスイッチ1つにつき2本でOK。しかも多くの場合、各スイッチを共通の信号や電圧に接続させてることが多いので、各スイッチに1本と共通のライン1本引けば済むことが多い。さらに言うと、もともと付いてたタクトスイッチは外さずに、必要な数のタクトスイッチを別途買ってきて、基板についてるタクトスイッチの脚にケーブルはんだ付けして引き出す方が圧倒的に楽だし基板を痛めない。

かろうじて、完成させて動作確認するまでは1台だけにしておこうと、バラしてなかったGrooveには手をつけなかったのがせめてもの救い。でも後々こっちもバラしちゃうんだけどね。

とまあ、今考えると相当アタマ悪いことしつつも、ここまではわりと順調というか、けっこう楽しんでた。キツかったのはここから。

さて動作確認! ……あれ?

塗装と入出力系は日々ちょこちょこやってた感じなので、その間機会をみつけてはユニットにピンクノイズ流してエージングしてた。多分この時点で50時間以上ならしてたんじゃないかな。塗装にひと段落ついたので、とりあえず1台組み上げて鳴らしてみる。

ん? 歪んでない?

歪みじゃなくて発振ってヤツなんですかね。一瞬ジジッというぱパリッというか、雑音が乗る感じ。音量とは関係なく、特定の曲の特定の部分、特に無音に近い状態から倍音多そうなボーカルが入るとか、ピアノの高いほうの鍵盤とかが来るとダメ。

実はこの歪み(歪みって表現が正しいかわかんないけど、めんどいので以下歪みで通します)、最初にテストで組み込んで鳴らした時から気になってた。ただこの時は組み付けも雑だったし、エージングとか全然してない状態だったので、後々消えるもんだと思ってた。それが全然変わってない。なんだコレ?

もともとTransmart Grooveについてたのは4Ω10wのユニット。同じ4Ωで耐入力の高いP830985なら問題ないはず。とりあえず問題切り分けのため、バラしてなかった方のGrooveで同じ曲かけてみると、こっちはやっぱり歪んでない。

もしかしてタクトスイッチ外したりする流れで、なんかやっちまったか?と思ってみるも、比較するにはバラしてなかった方もバラしてつなぎ変えてみるしかない。とりあえずそれは後回しにして、まずはP830985をもう一方の方に繋ぎ替えてみるも、同じ症状。ってことは、ユニットの問題ではないと予想される。

ってことは箱かアンプ?

古いAVアンプ(アナログアンプ)につないで鳴らしてみたり、ハコから出して裸で鳴らしてみたり色々試す。AVアンプだとそれなりに改善するものの、歪む時は歪む。裸で鳴らしても同じ。ってことはもしかしてこれユニットが初期不良? いやいや2台とも同じ症状だし、そりゃないでしょ。

一応この段階では、AVアンプが古すぎてよくない&タクトスイッチ引き出したGrooveがおかしくなったの合わせ技って可能性としてある。これを確かめるには、もうひとつのGrooveもバラしてユニットだけ繋ぎ替えて試す必要がある。が、これやるとこっちも保証とか効かない状態になる……いや今更そんなこと言ってても仕方ないか。

ってことでバラしてP830985に繋いで鳴らしてみる。……やっぱ歪むじゃん(死

きききききっとあれだ、ええええーじんぐが足りないんだそうにちがいない。

ってことでそこから数日、可能な限りピンクノイズ流す。作業止めちゃうのもイヤだったので、楽天的でアタマの悪いぶたは、多分エージングが進めば大丈夫だと踏んでもう1台のGrooveもバラして加工しはじめる。どうせ保証とかきかない状態だしね、今更なにやったっていいんですよと割り切った(漢)。

数日後再挑戦。……変化無し。

え〜。まさかユニットが2台とも初期不良なの? んなことある? ってことで購入元に問い合わせたりしたんだけど、イマイチはっきりせず。うーん。。。

結局Groove2台ともバラしちゃったんで、どうせならと思って2台とも一旦組み上げてTWSとしてのの動作確認。よし、繋がった……! と思いきや、3mも離すと途切れちゃう。。。

なんか疲れた……すごく疲れたよダーリン……

そして迷走が始まる。

続く(なげーなオイ)