Step2:ラフに設計してみる・その3
もう1日1記事キープがツラくなってるぶたです。あーもう計画の話すっとばしたい・・・
とはいえ今回はスピーカーユニット選び。ここが楽しいって人も多いんじゃないかと思います。
逆に音質そんなに気にしないって人はちゃちゃっと読み飛ばしちゃって下さい。
使用するスピーカーユニットの検討
なんでコレ最初にやらなかったの?って人もいると思います。
でも個人的には、ユニット先に決め込んでると、筐体の形状やユニットの配置等をパッシブスピーカーの延長で考えてしまいがちだと思うんですよ。
使い方にもよりますが、持って移動したりして気軽に聴けるBluetoothスピーカー。自分の使い方に特化させた方が楽しいと思うんですよね。アイディア段階の制約減らすためにも、ユニット配置や筐体形状を決めてからユニット選択した方がいいと思ってます。
どんなユニットを選ぶべきか
基本なんでもOKなんですが、普通のスピーカー自作との違いとして、いくつか気に留めておきたいことがあります。
市販機は40mm前後の小径ユニットが中心
もちろん大きい筐体のものは別ですが、ハンディサイズのものは40mm前後(1.5インチ)が中心。50mmだと大口径扱いだったりします。ここからふたつ読み取れます。
- 小さくても作り次第である程度低音は出せる
- 大きめのユニット使って市販品を超える音質を狙える
以前YoutubeのClavinetjunky氏を紹介しましたが、測定したf特グラフを見せてくれるんですね。気になる製品の見てみるとわかりますが、小型のもので下は100〜150Hzくらいでしょうか。低域がちゃんとしてると言われるもので70〜80Hzあたり?
小型でも意外に伸びていて、逆に「出ている」というものでも実際はあんまり伸びてないんですよね。
んじゃいっそ小径でOK、という判断はアリ。
逆に、筐体大きくして4インチくらい載せちゃお、という方向ももちろんアリです。
外付け?内付け?グリルはどうする?
パッシブスピーカー自作だと外付けでグリル無しのことが多いようですが、持ち運ぶことがあるBluetoothスピーカーの場合、それだとエッジやコーンを傷つけがち。
せめてエッジがバッフル面より奥になるよう内付けにするか、グリル等での保護を検討しましょう。外付け以外は想定していないユニットもありますので注意が必要です。
後からユニット載せ替えは難しい
スピーカー自作の経験があると、「最悪気に入らなかったら載せ替えちゃお」と考えがち。
でもスペースに余裕がなくなりがちなBluetoothスピーカーはこれがなかなか難しい。もちろんバッフル開口径やユニットの奥行きがほぼ一緒なら載せ替えられますけどね。
- 大きめのに載せ替え→奥行き大丈夫?
- 小さめのに載せ替え→サブバッフル使えばいけますが……
ほぼ自宅専用になるパッシブスピーカーと違って人に見られることもあるBluetoothスピーカー。ツギハギ状態になっちゃうのはあんまり……と思うんですよ。
配置や方式によって向き不向きがある
例えばUE BOOMのような2ユニット180°背面合わせを選んだ場合。正面で聴いた時ハイ落ちしますので、高域が強めのユニット選んだ方がいいです。
また正面+180°背面の4ユニットの場合、正面とサイドが同じユニット・同じ音量でいいのか検討すべきでしょう。個人的には、サイドが音量大きめ&若干高域強め、正面は音小さめっていう構成が気に入りましたが、好みもあると思います。
また、パッシブラジエーター方式の場合、エッジがやわらかくストロークが大きいユニットの方が効率的にパッシブラジエーターを動かせます。
EQやトーンコントロール前提で選ぶのもアリ
そんなの邪道!という人もいると思いますが、サイズ等の制約がありますので補正前提でもOKだと思います。というか市販品は(特に高額機ほど)DSP使って補正してるようですね。
補正前提の場合、ポート周波数以下がバッサリ切られてしまうバスレフよりも、密閉にしておく方がいいかもしれません。この辺もあわせて検討してみてください。
ラフの修正と操作系の配置案作成
ラフスケッチと見比べてみる
ユニットが決まったら、ラフスケッチと見比べてみましょう。
選んだユニットをラフで書いた筐体に収めた場合、全体の大きさはどれくらいになりそうですか?
「ちょっと大きくなりすぎる」とか、逆に「もう少し大きいユニットの方が見栄えしそう」とか、色々あると思います。必要に応じてユニットを再検討してみたり、筐体のラフを修正しましょう。
この時、最初につくった要望リストを見直しながら進めるといいと思います。こだわるところはこだわる、そうでないとこはバッサリ切り捨てたりしながら、当初の狙いに近づけていきましょう。
そのうち、全体が何cmくらいになるか大雑把に見えてきます。段ボールや厚紙等で実寸モデルを作ってサイズ感を確かめてみるのもいいと思います。そのサイズに違和感を感じたら、またラフを修正します。
ここでもまだ「あくまで仮」だと思ってください。基盤や電源関係がそのまま入るとは限りませんので。
操作系の配置を大雑把に決める
電源接続端子と電源スイッチは最低限必要だと思います。必要な操作ボタン等は人によって違うと思いますが、考えられるものを以下に列記してみます。必要なもの、できれば欲しいものなどを検討してみてください。ボードを選ぶ際の参考にもなります。
スイッチ類
- 電源スイッチ
- 再生・一時停止
- Next(曲送り)
- Previous(曲戻し)
- Vol+
- Vol-
- ペアリング(再生ボタン等と兼用のボードが多いですが)
ツマミ類
端子類
- 電源端子
- Line IN
- Line OUT
- Speaker OUT
- イヤホンOUT
必要なものがおおよそ決まったら、どこに配置するか考えてみましょう。といっても、まだボードを決めてませんから、まだ大雑把で大丈夫です。
例)
天板のバッフル面側に横並びで再生・Next・Previos・電源ボタンの4つ。背面左上部にVolツマミ、左下部に電源端子
例)
加工のことを考えると全部背面が楽かなあ。端子類は下部、ソレ以外は上部にまとめる感じで!
みたいな感じ。
ラフにしては細かい気もしますが……
長々と説明してきましたが、実際には数時間〜1日程度でできると思います。ラフにしては細か過ぎ? でもこれで「アタマの中ではほぼ完成」してるんじゃないでしょうか。
アタマの中で行きつ戻りつしてますが、ここまで1円も使ってません。わずかな時間と紙と鉛筆くらい。
物品揃えたり加工したりしはじめてから悩むより、ずっといいと思いません?