DIY Bluetooth Speaker

Bluetoothスピーカー自作のアレコレを書き綴ってみるブログです

Step4:設計の煮詰め3 筐体の内部構造

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いつのまにか製作の流れ順に書き進めることになって面倒を感じてるぶたです。

いやパーツや回路の話の方が圧倒的にアクセス多いみたいだし、筐体や設計に関することなんてぶっちゃけ誰も興味ないんじゃないかっていう。でもまあ、それでも書くんだけどさ。

さて今回は筐体の内部構造を考えてみようかと。

前回ガワだけ設計しましたけど、それだけならパッシブスピーカー作るのと大差ない。Bluetoothスピーカーだと内部に多少細工する必要があったりする。なかったりもする。どっちでもいいけど検討くらいはした方がいい気がする。検討すべきは以下の2点。

  • ユニット間の仕切り
  • 操作・入出力部の仕切り

ユニット間の仕切り

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Bluetoothスピーカーは複数のスピーカーユニットをひとつの筐体に収めることが多い。それらが分離されてないひとつの空間でいいのかっていう。音響的なことを考えたら、ユニットが動こうとする時、他ユニットがすでに空気を圧縮してたり筐体を振動させてたりする状況はよろしくない。

よし、んじゃいっちょ仕切りますか……で済めば話は早いんだけど、デメリットもありそうなので好みやシステムに合わせて検討するのをおすすめ。

デメリット1:エンクロージャーの内部容積が減る

仕切り板1枚分減る……くらいなら別にいいけど、仕切ることで容積が半分になる。ユニット1台あたりの容積、と考えると大差ないんだけど、容積の影響を受けやすいのは低音域。

2.1chなんてシステムがあるように、複数のユニットが全然別の低音を再生するってシーンはあんまりない。つまり「低音部だけ抜き出して」考えるとツインウーファーみたいなスピーカーとほぼ同じ状況とも言える。だったら仕切って容積半分にしてしまうのはf特的に不利。

デメリット2:手間がかかる

仕切り板1枚分余計な手間が……くらいなら別(略

小型筐体で作ってる場合、低音部の補強にパッシブ・ラジエーターを使おうとすることも多い。仕切ってなければ、複数のユニットで大型のパッシブ・ラジエーター1枚を駆動させられる。が、仕切りを入れるとなると、パッシブ・ラジエーターも2つに分ける必要がある。

市販のBluetoothスピーカーによくある「筐体正面にL/Rの2ユニット+その間にパッシブ・ラジエーター1枚」みたいな作りはできない。単純にパッシブ・ラジエーター2枚にしても正面部に収まれば大差ないけど、収まらなければパッシブ・ラジエーターを背面や側面に設定する等、けっこう大掛かりな変更になってくる。

デメリット1+2=……

このふたつ、どちらも低音域に影響が大きい。特に持ち運びを前提として小型筐体で作ってると、低音域をどう強化(量なのか伸びなのか質なのかはともかく)するかがポイントになってくるので、だったら仕切らない方がよくね?とも思える。

また、いろんな手間とか掛けて仕切ったところで、他ユニットによる「筐体の振動」の影響は排除できない。そんなこと気にするなら最初からTWS前提で別筐体にした方がいいんじゃね?っていう。

とはいえ、1台ひょいっと持ってく手軽さは魅力的。が、手軽さを優先すれば結局「コマけーこたぁ気にすんな」に行き着く。実際、市販のBluetoothスピーカーはほとんどユニット間の仕切りなんてしていない。

ただ、市販のBluetoothスピーカーの「なーんかオーディオ的じゃない音」っていうのはこの辺が理由だったりもしそう。

コストや筐体サイズを自分で決定できるのがBluetoothスピーカー自作の良さなので、f特は筐体サイズに余裕持たせること等でカバーして、仕切ってみるのもアリじゃないかなと。ただまあ、手軽さ優先ならナシでいいんじゃないすかね。

両方作ってみて聴き比べできればいいけどね。工具類が潤沢に揃ってて時間持て余してる人だれかやってみておねがいします(逃

操作・入出力部の仕切り

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仕切りの必要性を感じるのはどちらかといえばこっちの方かも。

自作筐体で難しいのは気密性の確保。各種入出力や電源端子、あるいはスイッチ類なんかは、基本的には密閉性を考えて作られてない。筐体に穴あけたりしてこれらを取り付ける時、各部のエア漏れ対策するのは結構な手間。

だったらいっそ、仕切りをいれてスピーカー空間と切り離すって考え方。

これは結構有用で、気密性維持してタクトスイッチ付けるにはどうすりゃいいんだォィとかって悩みから一気に解放される。

デメリットとしては、筐体の内部容積が減ること。例えばタクトスイッチ4つと電源スイッチ、3.5mmジャックに充電用USB端子……とかに必要な面積×一番奥行き使うパーツの高さ……って容積がごっそり消えてなくなるからね。それをヨシとするかは人による。

もっとも、各パーツ組み込みの際の気密性確保の方法が見つかれば仕切りなんかいらないワケで。工作を手軽にするためのひとつの方法だと思ってもらえればいいんじゃないでしょうか。